坂東三十三観音

坂東三十三観音と呼ばれる寺がある。
三日間を費やし、そのうちの六つの寺を巡った。

一日目、神奈川の4つの寺を巡る。

第1番札所 大蔵山 杉本寺

鎌倉駅からバスに乗り杉本観音バス停で降りる。

受付で拝観料を払い、少し登ると、仁王門があり、その先中央の苔むす長い階段は通行止めになっていて、左隣にある苔の無い階段で本殿まで登る。茅葺屋根が美しい本殿に参拝し、建物を観る。
仁王門・和様、斗栱は出組で2段の平行垂木である。(冒頭の写真)

そして、その帰りに仁王門まで階段を下ると、仁王門でたたずむ年配者が、道路から仁王門まで登る階段で既にお疲れの様子で、「上まではかなり登るのですか」と問うので、「階段の上に見えるあの屋根が本殿ですから、そんなに遠くはありません」と指さすと、「しかし40段はありそうですね」と辛そうに言うので、「それくらいはあります。頑張ってください」と激励すると、「ありがとうございます」と答えてくれた。



仁王門から見た通行止めの苔むす階段・その先に本殿が見える

本殿

本殿・茅葺屋根、和様、斗栱は出組、2段の平行垂木

 

垂木の説明

扇垂木
(おうぎだるき)
上の二重の屋根を支える垂木で各面で放射状に垂木を配置します
平行垂木
(へいこうたるき)
下の初重の垂木で平行に垂木を配置します
地垂木
(じだるき)
建物に近い方の垂木のこと
飛えん垂木
(ひえんだるき)
先端の方の垂木のこと

 

斗栱(ときょう)の説明

肘木(ひじき) 人の肘のような形状で屋根を跳ね出していく部材
肘木のことを栱(きょう)ともいいます
斗(と) 肘木の下で肘木を支える枡のような形状の部材
斗栱 肘木の上に斗が乗り、その斗がまた肘木を支えますがこれらの総称をいいます
三手先(みてさき) 斗栱が三段跳ね出されたもの
二手先(ふたてさき) 斗栱が二段跳ね出されたもの
出組(でぐみ) 斗栱が一段跳ね出されたもの

 

第4番札所 海光山 長谷寺(長谷観音)

バスで鎌倉駅に戻り、江ノ電長谷駅から歩くこと10分、長谷寺に着く。
広い境内は、池や紫陽花が美しく見晴らしも良い。

本殿・RC造、和様、斗栱は出組、2段の平行垂木

紫陽花の庭園

休憩所にて海を見下ろす

良い天気なので、長谷寺から庵養院へは歩くことにする。その道中に軒先の燕の巣とその中にいる数羽の雛と飛んできて口から餌を与える親燕を見かけた。

 

第3番札所 祇園山 安養院 田代寺(田代観音)

鎌倉駅を左手に離れて過ぎて、車道脇の細い歩道を暫く歩くと、安養院がある。長谷寺からは45分歩いた。境内に入り、参拝する。

観音堂

 

第2番札所 海雲山 岩殿寺(岩殿観音)

鎌倉駅に戻り、横須賀線逗子駅で降りて、歩くこと30分、岩殿寺に辿り着く。門を潜り、長い階段を登ると、その途中に、石彫の小さな観音様が祀られていて、そのほほ笑みが参拝者を和ませてくれる。その先は、紫陽花に囲まれた階段が続き、本殿に至る。

紫陽花の階段

本殿

本殿・禅宗様、斗栱は三手先、2段の平行垂木

 

二日目、千葉の笠森寺を訪ねた。

第31番札所 大悲山 笠森寺(笠森観音)

JR外房線茂原駅から小湊バスで約30分、笠森に着く。天然記念物笠森寺自然林を登り、芭蕉の句碑を過ぎ、風神雷神の二天門をくぐると笠森寺がある。笠森寺観音堂は、日本唯一の「四方懸造(しほうかけづくり)」として重要文化財に指定されている。

懸造は、崖などに柱と貫で床下を固定し、建物を支持する構造で、崖造、舞台造とも呼ばれる。京都清水寺も懸造だが、清水の舞台側の一方向だけが斜面の懸造だ。ここ笠森寺観音堂は、岩山の頂上に建てられたため、四方に柱と貫を組んでいる。四方が斜面であるから柱の長さは全て異なり、建物を水平に支持している。

観音堂を目指して参道を上る

参道で見た杉

参道で見た楠

参道で見た芭蕉句碑

二天門に到着

右の風神

左の雷神

観音堂正面

観音堂右側面

観音堂を支える柱と貫と崖

観音堂入口

階段を上った先の観音堂の四方を囲む廊下

境内を見下ろす

天然記念物笠森寺自然林を展望する

観音堂・禅宗様、斗栱は出組、2段の平行垂木

出組部分

 

参拝し、階段を降りる手前で、受付の御婦人が「お気を付けて」と声がけしてくれる。下りの階段は、中央の手すりを掴んで慎重に降りた。

 

三日目、千葉寺を訪ねた。

第29番札所 海上山 千葉寺

京成線千葉寺駅から歩くこと10分、千葉寺に着く。仁王門の組物に見入る。初めて見る4手先の斗栱だ。

仁王門・禅宗様、斗栱は四手先、2段の平行垂木、尾垂木あり
仁王門の奥に本堂が見える

仁王門左側

仁王門正面

仁王門右側

 

観音様は、観世音菩薩を略した言い方です。世の音を観る菩薩様です。菩薩様とは、自らも仏(悟り)を目指す修行をしつつ、衆生(一般の人々)を救う人のことです。

<弘>

 

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