建築に見る化石

高級感漂う色調のため、建物の中でも、多くの人が集まるところ、例えば、入口近くのホールの壁などに多用されるのが大理石です。

サンゴなど海の生物が堆積して出来るのが堆積岩の一種である石灰岩です。
その石灰岩がマグマの熱や圧力によって結晶化し、その結果、出来るのが大理石です。
そのため、私たちが、建物の壁や床で、普段、目にする大理石の中に、海の生物の化石が含まれていることがあります。

堆積岩の中から発掘される化石は、その姿のまま、風化して石のような姿で残ったものです。
しかし、大理石の中の化石は結晶化しているため、様々な色彩で輝いています。見方によっては、まるで、宝石のようです。また、その建物が竣工後十数年しか経っていないものであっても、そこで使われている大理石の中に存在する化石は、地球上に生物として誕生してから、数億年の時を刻んでいます。

今回は、東京の建物の中で、化石を探してみましょう。
東京駅から皇居へ続く僥倖(ぎょうこう)通りの左前方に丸の内ビルディング(通称、丸ビル)があります。

丸の内ビルディング(2002年竣工)・右奥が皇居

 

その地下1階の壁の大理石には、アンモナイト化石とべレムナイト化石がいます。

アンモナイト 形態的には、現生するオウムガイに似ている。生息していた時期は、4億年前から7千万年前まで。
見た目は貝の軟体動物(タコ・イカの仲間)
べレムナイト 形態的には、イカに似ていて背中から先端にかけて矢じり形の殻を持つ。現在のイカに似ている軟体動物
オウムガイ 南太平洋に生息する。約90本の触手を持つ。生きている化石と言われる軟体動物

べレムナイトが生息していた時期は、アンモナイトとほとんど同じです。
そのため、この2種の化石は、同じ地層で見つかります。丸の内ビルディングの地下1階の壁大理石を良く見ると、アンモナイト化石は直径14cm程度のものが多く、べレムナイト化石は長さ14cm程度のものが多いようです。

アンモナイト化石

 

ベルムナイト化石

 

それぞれの化石が、色や輝きや向きに個性があるため、多くの化石を撮影した全ての画像を掲載します。それらの趣のある個性豊かな姿を皆様に楽しんで味わっていただきたいと思います。

多様な化石を見る

 

 

次に紹介するのは、有楽町マルイの1階の床にいる巻貝の化石です。歩きながら足元を見ると必ず目に入るほどたくさんの化石がいます。

有楽町マルイ(2007年竣工)

 

 

以上、東京で化石を見ることのできる2大スポットを紹介しました。

次に、石材がどのようにして壁に取り付けられているのかを紹介します。
様々な工法がありますが、一例として内壁空積工法を取り上げます。
通常、壁に用いる石材の厚さは、25mmです。そして、その石材は、コンクリート壁下地に下図のように固定されています。

だぼ 家庭での組立て用の食器棚や本棚の棚を支えるために棚下に4か所差し込む金属製のピンと同様な金物です。だぼによって、下段の石とその上に取り付ける石の面が段差無くきれいにそろいます。
引き金物 コンクリート壁などの下地と石材を緊結する金物です。
道切り 引き金物を取り付けるために、現場で石の一部を削る溝です。
モルタル セメントと水と砂とを混ぜて作ります。
セメントと水との化学反応で固まります。

建築に見る化石を紹介しました。そして、その化石のいる石材の取付け工法のひとつを紹介しました。

<弘>

 

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