品川から皇居まで建築を考えながら歩く(前編)

品川から皇居二重橋を目指して、神社・重要文化財などを解説

今回は品川から皇居二重橋までを第一京浜と日比谷通りを建築を考えながら歩きます。
前編では、品川から浜松町付近まで、後編では、そこから皇居二重橋までをレポートしていきます。

 

品川駅前を通る第一京浜からの眺め

この写真は、スタート地点の第一京浜の歩道から品川の高層ビル群を撮影したものです。

 

高山稲荷神社に参拝

歩きだして最初に出逢った高山稲荷神社に参拝しました。

高山稲荷神社(たかやまいなり神社)

 

泉岳寺の山門

更に暫く歩くと到着する泉岳寺には、江戸元禄時代に起きた赤穂事件で有名な浅野内匠頭や赤穂浪士四十七士のお墓なども祀られています。

山門(さんもん)
1830~1844年(天保年間)再建

 

この日は、いつもは閉じている本堂の扉が開かれ、修行僧であろう若い御坊様が「こんにちは」と挨拶して下さいました。
私も「こんにちは」と言って、本堂の中に入ると、「御自由に焼香して下さい」と書かれた焼香台と記帳するための紙と鉛筆がありました。
それを見つめていると「お名前と願い事を書いて頂ければ、読経の際にお読みします」と御坊様が説明して下さいました。

私は、「無病息災と平和」と書き、用意された椅子に座って心身を休めながら、御坊様三人が唱えてくれる般若心経を聴き、焼香して本堂を出ました。幸先が良いです。

泉岳寺に参拝します。

泉岳寺本堂(せんがくじほんどう)
1953(昭和28年)再建

 

芝丸山古墳

三田で第一京浜から日比谷通りに入り、少し歩くと芝公園があります。
芝公園の中には、芝丸山古墳があります。

この古墳は、江戸時代以降かなり原形は損じられているものの、都内最大級の前方後円墳です。

芝丸山古墳(しばまるやまこふん)

 

旧台徳院霊廟惣門

芝公園を過ぎると仁王像二躯が安置された「旧台徳院霊廟惣門」があります。

旧台徳院霊廟惣門(きゅうだいとくいんれいびょうそうもん)
1632年(寛永9年)造営/ 重要文化財

 

増上寺に参拝

更に歩くと増上寺があります。

増上寺三解脱門(ぞうじょうじ さんげだつもん)
1622年(元和8年)再建/ 重要文化財

 

日比谷通りに面したこの朱色の三解脱門(さんげだつもん)は、三つの煩悩の三悪を解脱する悟りの境地を表しています。
 ・貪欲(とんよく・むさぼり)
 ・瞋恚(しんに・いかり)
 ・愚痴(ぐち・おろかさ)

三解脱門は、「三門」・「山門」とも呼ばれ、両翼に山廊・繋ぎ塀を設けています。
屋根の形式としては、三解脱門は本瓦葺きの入り母屋造りです。
その両脇の山廊は切り妻造りの建築物で、三解脱門の二階へ上る階段が設けられています。

ここで、屋根の形式について説明します。
基本の形は、建築物の前後に流れをつくる切り妻造りです。
屋根の二つの屋根面が凸状に交叉する部分を棟(むね)といい、雨水は前後に流れます。
側面にできる大きな山形の壁の部分を妻(つま)といいます。

切り妻造りの周囲に庇(ひさし)を葺き降ろした形の入り母屋造り、四方に流れをとった寄せ棟造りの三形式が屋根の基本的な形となっています。

三解脱門は、二階建てで、二つの屋根をつけています。
次に屋根を支える垂木の形状について説明します。

 

垂木の説明
扇垂木
(おうぎだるき)
上の二重の屋根を支える垂木で各面で放射状に垂木を配置します
平行垂木
(へいこうたるき)
下の初重の垂木で平行に垂木を配置します
地垂木
(じだるき)
建物に近い方の垂木のこと
飛えん垂木
(ひえんだるき)
先端の方の垂木のこと

 

 

斗栱(ときょう)の説明
肘木(ひじき) 人の肘のような形状で屋根を跳ね出していく部材
肘木のことを栱(きょう)ともいいます
斗(と) 肘木の下で肘木を支える枡のような形状の部材
斗栱 肘木の上に斗が乗り、その斗がまた肘木を支えますがこれらの総称をいいます
三手先(みてさき) 斗栱が三段跳ね出されたもの
二手先(ふたてさき) 斗栱が二段跳ね出されたもの
出組(でぐみ) 斗栱が一段跳ね出されたもの

 

二重・初重ともに、垂木が二段になっています。

増上寺三解脱門は三手先です。

 

お寺や神社や五重塔を訪ねることがあったなら、軒裏を見るとおもしろいです。
時折、みごとな斗栱に出会うことがあるからです。
いにしえの工人たちが、その匠の技を活かして組み上げた斗栱です。

増上寺大殿に参拝

三解脱門を入ると増上寺大殿があります。

増上寺大殿(ぞうじょうじだいでん)
1974年(昭和49年)再建

 

有章院霊廟二天門に参拝

増上寺を過ぎると有章院霊廟二天門(1717年(享保2年)造営・重要文化財)があります。金の飾り金具と黒と朱の漆塗りが、太陽に照らされ光輝いていました。

有章院霊廟二天門(ゆうしょういんれいびょう にてんもん)
現存/ 重要文化財

 

ここまで屋根のつくりを見ながら歩いてきました。
屋根はいくつもの部材で構成され、複雑な作りでしたが、これが日本の伝統だと思いました。

建築の美しさは、屋根にあるのではないでしょうか。

このあとは皇居二重橋まで歩きます。

 後編に続く・・・

<弘>

 

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