同位体顕微鏡室の建設

の建設経験談(同位体顕微鏡室.ver)
建設部 宮坂敏一

前回は「技本空力推進研究施設のプロジェクト」でしたが、今回は惑星探査機の「ハヤブサ2」に関連するお話をします。

 今年3月に太陽系の小惑星「リュウグウ」に到着し、タッチダウンした小型惑星探査機「ハヤブサ2」の話題が世間の注目を浴びています。実は私の建設業務でこれに関する施設建設が有りました。
 建物は「箱モノ」と世間では揶揄(ヤユ)されていますが、建物建設で色々な事象の大事な要素の一つとなっていると思います。

「同位体顕微鏡室の建設」

 この施設は私が某大職員(施設部)として勤務しているときに、大学の創成研究棟増築工事で、発注者としてその設計・現場工事監理に関わりました。この研究棟で理学部の教授の担当する「同位体顕微鏡室」の建設が有りました。

 この施設は世界に1台しかない顕微鏡で有り、その特殊能力で国の主要な研究対象の設備でした。その為、国の研究費の審査する国会議員などの見学が予想され、外部関係者への視察が可能な構造(ガラス張り見学附室)を同教授より依頼されました。

 具体的には「同位体顕微鏡」で小型惑星探査機「ハヤブサ」の時に持帰った小惑星「イトカワ」の一部であるかの検証を行いました。それは「イトカワ」の酸素同位体(16o成分欠乏)組成が地球外である隕石の母体の一つで有ることを証明しました。

 この事を踏まえ、今回のハヤブサ2はイトカワと異なる性質とみられる小惑星「リュウグウ」から、水の発見の可能性が予想されています。5月には今回作ったクレーターの再タッチダウンで内部構造のサンプリングを予定しています。このミッションはそのサンプルを地球に持ち帰る事です。
 又、その際にもこの同位体顕微鏡が活躍できると期待されています。

 さて、その同位体顕微鏡を正常に運転できる室内環境を整備するのが私に与えられたミッションでした。この同位体顕微鏡室は温度・湿度・気流等の室内環境を常に高精度で一定に保つクリーンルーム仕様で空調設備を整える必要に迫られました。特にその冷熱源システムの構築とその安定的運転確保が求められます。

 私が気にしたのは某大では有名なポプラが有り、初夏に飛ぶその綿毛(種子)が大量に構内で飛び交います。その綿毛が熱源機器の目詰まりを起こす事が有り、空調システムの不安定化になる事が有り、注意を要しました。

 このほどこの掲載にあたり、某大の教授に連絡をすると10年前の事を覚えていて、二つ返事で写真掲載の許諾を得ました。
又、今後に前回投稿した「空力推進研究施設」の第二弾を報告する予定です、お楽しみにして下さい。(今度は現場見学をして来て報告します。)

 

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