伝統建築と和釘

「伝統建築は釘を一切使わない」と、よく言われますが、平成25年に行われた伊勢神宮の
「式年遷宮(しきねんせんぐうい)」には、なんと七万本近い釘が使われています。
いったい何処に使われているのでしょうか? 伝統建築と和釘について追いかけてみました。

宮大工・松浦昭次氏の著書『宮大工千年の知恵』を開いてみると、「長押(なげし)をのぞいて、
構造の軸になる部分には基本的に釘は使わない」と書かれています。
中世には現代よりも「ずっと質のいい釘があった」とも。確かに釘は使われているのですね。

つまり、「構造のメインに使われない」というのがその真意なのです。
伝統建築は「撓(しな)る」建築であるから、いい塩梅で撓る造りには、撓らない金属の出番は少ない、というわけですね。

-実際に釘が使われている場所について-

実際、構造で使われる長押の部分でも、一本の材に打つ釘は一本のみ。
複数本打てばガッチリ固定できそうですが、それではダメなようです。
長押は柱と柱に渡される材になり、これが釘一本でとめられていると、
柱が揺れれば長押は釘を軸にして撓り、元に戻るそうで、現代とは釘の使い方からして違うようです。

その他に大量に使われている場所は「地垂木(じだるき)」という軒構造を支える土台です。
伝統建築の軒下に肋骨のように何本も並んでいるのが垂木で、その一番下にあるものです。
垂木は強風から屋根を守るものなので、これも釘を軸に撓(たわ)むことで力を逃がすのでしょうね。

構造以外では、瓦が瓦釘でとめられます。目に見えるところでは、門まわりに装飾を施された多数の釘や
金具が使われているのが見られます。

 

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